日米同盟は「二重の意味」で アンカーになっている
村野 それでは日米同盟に話題を移していきます。これまでの日本は、「アメリカは我々に何をしてくれるのか」という具合に不安を取り除き、安心感を求める態度が支配的でした。けれども今後は、米国側に要求するだけではなく米国がこの地域に前方展開するリスクを我々が低下させていく、つまり米国を安心させる努力が求められています。
吉田 正直に申し上げると、これまではグローバル・リーダーとしての米国は、我が国の安全保障にとって「定数」と見ていたわけです。ところが米国政治が「変数」化したことで、同盟国や同志国はどこも米国への関与とヘッジを考えざるを得なくなってきました。ただ、ここには地域差がありますよね。
例えば、カナダやグリーンランド──その主権を持っているデンマーク──などは米国のリージョナル・ヘゲモニーの対象になっていますから、こうした国が米国への関与とヘッジにおいてヘッジに重点を置くのは当然だろうと思います。カナダのマーク・カーニー首相は今年1月のダボス会議で、「ルールに基づく国際秩序は衰退し、破綻している」「古い秩序は戻ってこない」と演説で述べましたが、同盟国であっても今までのように米国を頼ることはできないという意識があるわけです。加えて、欧州全般にも同盟の「見捨てられ」のジレンマがあり、米国の関与が低減することの影響を最小限に抑えることをより一層強く考えなければならない状況です。
それに対して東アジアは、セレクティブ・エンゲージメントの「選択」されている地域ですから、我々としては引き続き米国をこの地域に繋ぎ止めるための関与をやらなくてはなりません。そういう意味では私は、日米同盟は「二重の意味」でアンカーになっていると考えています。一つは、日米同盟はグローバルな秩序維持の礎にもなっているということです。政策文書などでは「日米同盟はインド太平洋地域の平和と安定の礎」といつも言われていましたが、今やこの地域のみならず世界の秩序維持にとっても重要な意味を持っています。
二つ目は私の肌感覚ですが、米軍が日米同盟を軸としてこの地域に関与し続けるという意思はまったく変わっていないと思います。実はそれはヨーロッパ正面でも、同じことが言えると考えています。クリストファー・G・カヴォリ欧州連合軍最高軍司令官の退官前の挨拶を聞いても、欧州においても平和を維持するという強い意志があると感じました。ですから軍と軍の結び付きは未だに強固なものがあって、同盟のアンカーになっている。米軍は決して抑制主義的な発想を持っていないし、同盟を通じて構築された体制を信頼できると私は考えています。ですから、ミリタリーとミリタリーの関係を質的により一層高めていくことが必要です。
村野 吉田さんは統合幕僚長時代を通じて、どこに力点を置きながら日米同盟を質的に深化させようとしてきたのでしょうか。
吉田 私自身が力点を置いていたのは、戦略レベルの日米の連携です。これまでの自衛隊と米軍の主たる連携は、統合幕僚監部とインド太平洋軍の作戦レベルの連携が中心でした。例えば、2015年のガイドライン改定で設置された実効的防衛協力の仕組みである計画策定メカニズムや同盟調整メカニズムなどを見ると、そこが中心だったことがわかると思います。
自分が着任したときには、2年後には統合作戦司令部が創設されることがわかっていました。作戦レベルの連携はそこに委ねられるので、戦略レベルの連携こそ統幕がやらなければなりません。具体的には、米軍の統合参謀本部議長、戦略コマンド(STRATCOM)司令官、宇宙コマンド(SPACECOM)司令官、そしてサイバーコマンド(CYBERCOM)司令官などとの戦略レベルの連携を開始し、強化しました。
統参議長とのあいだでは、グローバル・キャンペーニングによって連携強化を行っています。どういうことか簡単に説明します。今までの日本は自分たちの周辺にある中国、北朝鮮、ロシアなど北東アジア地域ばかりに焦点を当てて安全保障を考えているところがありました。けれども地域紛争がグローバル化する中、日本もグローバルな視野で安全保障に取り組む必要があって、最早その役割を米国の統参議長だけに任せていれば済むという状況ではありません。そこに対して、我々も意見を言っていかねばなりません。そういうかたちで、統参議長とはグローバルな安全保障への取り組みという点での協議を進めてきました。
戦略コマンド司令官とは、我々はいかにエスカレーション・マネジメントをしていくかという点について話をしてきました。ウクライナ戦争の大きな教訓として、ロシアは終始エスカレーション・コントロールを握って、相手国の行動を制限することを巧みに行っています。また、宇宙コマンドやサイバーコマンド司令官とは、宇宙領域、サイバー領域においても連携を深めています。日米同盟における戦略レベルでの連携こそが米国をこの地域につなぎとめる上で、実は最も重要な部分ではないかと思っています。
村野 作戦レベルのみならず、戦略レベルにおいて日米が不可分な関係となることをめざしてきたわけですね。
吉田 もう一つ同盟パートナーシップの拡大という点も強調したいと思います。インド太平洋地域は、米ソ冷戦時代のハブ・アンド・スポークの関係が基本になってきました。米国が中心にあって、2国間同盟がスポークのかたちになっているわけです。そういうバイラテラルな枠組みを土台として、ミニラテラルな協力を重ね合わせた多層的な枠組みへの移行が進んでいます。例えば、日米豪、日米韓あるいは日米豪印、あるいは日米豪比といった3カ国間・4カ国間の協力を重ね合わせているのです。
インド太平洋地域ではNATOのように、どこか一つの相手に対する集団防衛体制を築くことは、この地域の現実から言えば、困難極まりないので、いかにミニラテラルな協力を重ね合わせるかが重要になっています。我々もそこを主体的に参画し、必要があれば自分たちがそういう枠組みをつくっていくことを考えてきました。
それと併せて、NATOとの連携も進んでいます。欧州大西洋とインド太平洋の安全保障は不可分になっていますから、地域的な課題に対する相互の関与を強化してきました。実際私は、統合幕僚長を務めた2年4カ月のあいだに参謀総長たちと250回ほど会談を重ねましたが、そのうちの約3割は米国を除くNATO諸国でした。
この間も、イギリス海軍の空母プリンス・オブ・ウェールズを始めとして、英、仏、独、蘭、伊、スペイン、ノルウェーの艦艇や戦闘機等がインド太平洋地域に展開してきています。彼らはウクライナ戦争を支援しながらもこちらへの関与を強めてきてくれているので、当然、我々もウクライナ等に対しての支援を継続しているわけです。
村野さんのほうから日米同盟の強化に向けたご提言はございますか?
AI時代の戦場とは?
村野 最近ハドソン研究所では、海軍種向けに「ヘッジ・フォース」、空軍種向けに「エッジ・フォース」と呼ばれる考え方を提唱しています。共通するのは、激しい損耗が予想される最前線に投入する戦力については無人化を進めたり、安価で大量に投入できる装備に置き換えることで、リスクを低減しようという点です。
紛争の初期段階において、自衛官や米兵の命、あるいは空母のような高額な装備をリスクに晒すことなく、中国の行動をある程度阻止できる見通しがつけば、日米の政治指導者が介入の決断を下すハードルを相対的に下げることができます。実際に防衛力を発揮できる信憑性が高いということは、中国に対する抑止の信憑性を高められるということです。つい最近でもダリル・コードル米海軍作戦部長が「ヘッジ戦略」という考えに言及していますから、徐々に米海軍の正式な作戦構想の中にはこうした考え方が入ってきている。
その上で、第1列島線から第2列島線(伊豆諸島から小笠原諸島、グアム、パプアニューギニアを結ぶ線)に至るエリアの安全を確立する上で、フィリピンなどとの連携を強化する発想を持つことが挙げられます。数カ月前に、陸上自衛隊の防空ミサイル「03式中距離地対空誘導弾(中SAM)」をフィリピンに輸出することが議論されているという報道が出ています。実際に実施するのであれば、単に防空システムの移転だけではなく、すでに米比間で臨時使用が合意されているフィリピンの航空基地を日本も使えるようにしたり、それらを強靭化するために日米比豪が協力してインフラ投資を進めるといったパッケージも考えられるはずです。
中国は2035年までに空母を最大9隻持つと見られており、爆撃機の遠征能力も高まっている。そうした点から三文書見直しでは、太平洋側の防衛が一つの焦点となるでしょう。しかし自衛官の採用難が叫ばれている中で、空母のような大型装備を増やすことはできません。そこでマリアナ諸島──グアムはもとより、サイパンやテニアン──のような第1列島線と第2列島線のあいだにある飛行場を日米が共同で費用を出して強靭化する。例えば、滑走路の復旧機材や、航空機を臨時展開させるための燃料やミサイルを事前集積しておくことも考えられます。
吉田 どちらが軍事専門家なのかわからなくなりますね(笑)。いま出していただいた案は、軍事的に極めて合理性が高い案です。エルブリッジ・コルビー米国防次官の言葉を借りれば、「拒否戦略」──敵の侵攻や攻撃を物理的に阻止し、目標達成を不可能にすることで攻撃を断念させる防衛戦略──の具体化になるのだと思います。私としてはその考え方に賛同いたします。また米国やフィリピンなどを含みながら、もう少しダイナミックに強靭性や持続性を強化していく発想も素晴らしいですね。
村野 我々がウォーゲームから得た知見として、いくら予算があっても、航空機を増やすだけでは戦局を変える効果が殆どないことがわかりました。中国の爆撃機やミサイルの増強ペースを考えると、2030年代、40年代の中国は地域に対する圧倒的な攻撃能力を持つ可能性が高い。そうなると、緒戦に我々の航空基地が自由に使えるとは限らないわけで、インフラ強化に加えて戦闘機だけに依存しない対空能力を維持する必要があります。
今DARPA(アメリカ国防高等研究計画局)は、「ロングショット」と称する空対空ミサイルを1、2発搭載した滑走路に依存しない無人機を開発しています。これは元々空対空での交戦距離を伸ばすことを目的に始まったのですが、長く飛べるということは上空での待ち伏せ、つまり防空にも転用できます。同様に極めて効果が高かったのが、日本領土内から中国上空の爆撃機やAWACS(早期警戒管制機)を脅かせるような射程が900キロを超える超長距離地対空ミサイルです。これはスタンドオフの考え方を対地・対艦だけでなく、防空にも応用しようというものです。これらを日米で共同開発し、南西正面のみならず、太平洋正面に配備することを検討すべきだと思います。
吉田 我々も防衛イノベーションを進展させ米中の技術覇権競争に貢献していくことは、米中の戦略的競争においても、我が国の国益にとっても、極めて重要です。すでに米国は2010年代半ばには第3のオフセット・ストラテジー──敵の量的優位を技術的・概念的な革新によって相殺し、軍事的優位を確保する米国の防衛戦略──というかたちで、意思決定中心の戦いに向けてAI等を活用していく方針を打ち出しています。
それを受けて、中国も情報化戦争から智能化戦争へアップデートしていこうとしている。今のウクライナの現場を見ても、大量の安価な無人機が多機能で高価な有人のプラットフォームを凌駕している側面があります。さらにロシアもウクライナもAIの戦場への導入を試みており、将来戦の端緒も見え始めています。
今後は自衛隊も、第4次産業革命の先進技術を防衛イノベーションに導入していくことで、この分野の将来の抑止力をつくることに積極的に取り組む必要があります。こうした先進技術の分野では、日米で協力しながら進めていくことができれば理想的なのだと思います。
日本の防衛産業基盤のアキレス腱
村野 課題になるのは、防衛産業を平時と有事の両面で持続可能なものにすることです。防衛産業は、平時の需要に最適化していると有事の需要に対応できないし、有事の需要だけを考えていると平時に採算がとれないという課題がありますから、いい頃合いを見付ける必要があります。
これはウクライナ戦争の一つの教訓ですが、現代の兵器開発においてはアダプタビリティ(適応性)とスケーラビリティ(規模拡張性)の両方が重要になります。アダプタビリティというのは、例えばロシアが電子妨害を仕掛けてきたら、それに迅速かつ柔軟に適応して対抗力を付け加えていけることを指します。スペースXのスターリンクが良い例です。逆にどんなに高性能なシステムでも、対抗手段が出てきたときに改修の柔軟性が低いと途端に陳腐化してしまい、役に立たなくなります。
スケーラビリティは、需要が増大したときに大量にそれを生産できる能力を確保することです。高価格で高性能だけれども少量しか使えないとなれば、効果が限定されてしまいます。そこそこの能力だけれども、大量に投入できるシステムも重要になっています。
従来の日本の防衛産業協力というと、日米の「SM-3 Block IIA」(弾道ミサイル防衛用の新型迎撃ミサイル)や日英伊の「GCAP(グローバル戦闘航空プログラム)」のように、高性能かつ高価格な事業が主でした。けれどもよりシンプルで大量生産できる適応性の高い能力を追求していく発想も必要でしょう。これまで見過ごされてきましたが、これから日米あるいはその他のパートナー国と防衛装備の協力をしていくうえでは考慮すべきポイントではないかと思います。質か量かの二元論ではなく、質と量をバランスよく、ということですね。
吉田 日本の防衛産業基盤のアキレス腱をご指摘された感じがしました。やはりアダプタビリティとスケーラビリティは、ウクライナ戦争から得た防衛産業基盤としての重要な教訓ですね。AI、サイバー、宇宙などの先進技術を駆使するハイエンド戦争においては、産・官・学がデュアルユース(軍民両用)・テクノロジーをいかに実装化するかにかかってくる。1990年代のGPSのように軍が先行してスピン・オフしていくよりも、今は逆に民生技術をスピン・オンするシステムをつくっていく必要性が非常に高いのだと思います。ここはもう自衛隊や各国軍だけではできませんから、「産」と「官」、より長期的なところでは「学」まで含め一体となったエコシステムが必要と考えています。
現在、ウクライナ戦争の裏側で、バルト海周辺ではすでにもう一つの戦争が起きています。ロシアはバルト海周辺国に対して、サイバー攻撃、偽情報拡散といったハイブリッド戦争を激化させています。コストも低いために閾値が低く、見えづらいので簡単に起きてしまいます。
ロシアはウクライナと戦いながら、ハイブリッド戦を仕掛けられるわけです。ハイブリッド戦はハイエンドの軍事行動の予兆になることもあるので、このハイブリッド戦にはきちんと対処しなければなりません。ただし、ここは軍事組織のみでは不十分で、政府全体でも足りなくて、社会全体のレジリエンス(“Whole of Society Resilience”)を強めなければなりません。
ハイブリッド戦においては、サイバー攻撃、海底ケーブルの切断、GPSの妨害、影響工作、心理戦、それからミサイルやドローン攻撃など多岐に渡る攻撃が繰り広げられますから、そうした場合にも国民をしっかり保護できるだけの抗堪性(敵の攻撃に耐えて機能を維持する能力)を持たなければなりません。また影響工作や心理戦の対象は、国民にも及んできますから、政府、企業、国民等の間で正確な情報を共有できる体制(“Need to Share”)を構築することも必要になります。
もう一つ戦略的なポイントを追加すると、いわゆるINF(中距離核戦力)ギャップを埋める努力は必要です。ここはまさに村野さんのご専門ですが、INF全廃条約によって米露は射程500キロから5500キロの地上発射型中距離ミサイルをゼロにしてきました。その一方で、中国はこの間に中距離ミサイルの保有数を数百発以上にまで伸ばそうとしている状況があります。このギャップをどう埋めるかは、抑止にとって極めて大きな課題になっていますが、日本のスタンド・オフ防衛能力──敵の射程圏外からミサイル等で対処する能力──はその一助になると私は考えています。やはり、反撃能力は抑止の重要な要素なのです。
村野 今年2月5日に新START(新戦略兵器削減条約)が期限切れを迎えて、冷戦期につくられた米ロ間の核軍備管理条約はこれでほぼすべて崩壊したことになります。元々ロシアは途中から履行停止していたので事実上崩壊していたとは言えますが、核軍備管理がない世界で、いかに安定的にマネージしつつ、必要な抑止力を確保していくのかは、ますます重要な課題になっています。
吉田 ウクライナ戦争が核の影響下で通常戦が行われているという事実に我々は目を背けることはできません。今ロシアがやっているように、核を保有していない国に対して非戦略核を用いて恫喝をしたり、あるいは状況によっては限定的使用したりする事態が今後起こり得ることを非常に危惧しています。中国の核戦略はすでに「最小限抑止」から「確証報復」になっており、ロシアのようなさらにアグレッシブな核戦略を採用することを強く懸念しています。こうした事態への抑止力を高めていく発想を欠かすことはできません。
米国にグローバルリーダーであることを自覚させる
村野 装備やシステムに関する話をしてきましたが、それを扱う人たちの協力関係を深めることが重要なのは言うまでもありません。米国の国家防衛戦略はかなり短い文書でしたが、「(複数正面における)同時対処問題(と同盟国との負担分担への含意)」という項目が入っていたことは、見落とされがちですが注目すべきところです。リソースが少ない中で、複数正面で同時に発生し得る危機にいかに対処するのか。これは現在の政権だけではなく、ここ数年の米国の戦略コミュニティにおける主要な課題になっています。以前は防衛戦略の専門家が率先して議論を始めていましたが、ウクライナ戦争が始まって以降は、欧州やアジアの地域専門家が相互に乗り入れてこの課題に真剣に向き合っています。ですから、政治レベルは低くとも政権内にこの課題に関心を抱いている人がいることは事実です。けれども果たしてそれが戦略レベル、作戦レベルの実行にまで結び付いているのかと言えば、とてもその段階に達しているとは言えないでしょう。
米軍は「グローバル」と冠した同盟国との統合演習を定例でやっていますが、日本の関与はまだまだ限定的です。例えば、シュリーバー演習(10年先を想定した、宇宙における戦略レベルから作戦レベルにわたる議論を行う多国間机上演習)のように、機能領域に関する演習では日本やNATO諸国も参加しています。しかし、複数の地域統合軍や同盟国が連携する演習はほとんどないのではないでしょうか。NATOは欧州、米韓や日米はそれぞれ朝鮮半島や台湾といった地域毎の作戦計画は演練していますが、それらの危機が同時に起きたときに個別の計画を遂行できるか試して、能力や機能の不足や重複を特定するといった地域横断的な取り組みはまだ残されています。
私は米国に対して、アジアと欧州の同盟国を相互に乗り入れさせたグローバルな統合演習をやるべきだと主張していますが、実際にやっていけるとお考えでしょうか?
吉田 ぜひやるべきですね。米軍はグローバル・リーダーとしての意思をまだ強く持っているからこそ、そうした演習を企画しているのだと思います。自衛隊は、地域レベルでの運用構想を試すといった部分での参画に限られているのが現状ですが、グローバルな統合演習の範囲は広げていく必要があります。その際には、もう少し日本や欧州の意見を反映させていく努力もすべきでしょう。まさに地域紛争がグローバル化して、複数正面を同時に対処しなければならない時代においては、それを米軍だけに考えさせておけば良いというものではありません。
私が統合幕僚長を務めていたときには、米国の統参議長や欧州の参謀総長たちと年に数回は直接会って、かなり濃密に様々な議論をしてきました。そこからもう一歩進めて、グローバルなレベルで共同演習や共同研究をやっていくのは進むべき方向です。戦略的に見れば、そうした試みは米国に対してグローバル・リーダーからリージョナル・ヘゲモニーへ行かせずにつなぎ留める方策にもなっています。
村野 米国にグローバルリーダーであることを自覚させるということですね。
