BSE(牛海綿状脳症)を本誌読者は覚えておられるだろうか?  1986年に英国で発見され、当初は狂牛病と呼ばれていた死に至る牛の病気だ。感染牛の脳や脊髄などに病原体の「BSEプリオン」が多く含まれ、これらを原料とした飼料が牛に与えられて感染が広がった、とされる。さらに、ヒトがBSEプリオンを食べることにより、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)を発症する、とみられている。日本国内では2001年、BSEに感染した牛が初めて確認され、社会はパニックに陥った。  だが、世界中で対策としてBSEプリオンの飼料への混入を禁止する規制や、BSEプリオンが含まれる可能性のある部位を食用としないこと、牛の検査などが実行され、BSEは終息に向かった。これまでに世界で見つかったBSE感染牛は計19万頭あまり(うち英国で18万5000頭)。ヒトのvCJDは229人が確認されている。日本では、BSE感染牛が計36頭見つかり、vCJD患者は英国滞在歴のある1人にとどまった。  このBSE問題は、日本では病気の流行に留まらず、食品安全行政を大きく転換する契機となった。2001年の感染牛発見

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