『公研』2023年6月号「公研セミナー」   兼原信克・同志社大学特別客員教授     急速に立ち上がり大国化した中国 兼原 本日は「台湾有事に備える」をテーマにお話ししていきます。まずは近現代の中国の歩みを簡単に辿ってみます。それを知れば、今の中国がどのような気持ちでいるのかが見えてくるのではないかと思います。私が首相官邸に入ったのは2012年でしたが、それから10年間で中国の経済規模は日本の3倍になり、一気に世界第2位の経済大国に上り詰めました。それ以前の中国は、とても脅威と言えるような存在ではありませんでした。  1949年に中華人民共和国を建国した毛沢東は、数千万人を餓死させた大躍進、数百万人の命を奪い、中国の社会、特に教育を滅茶苦茶にした文化大革命、ソ連のダマンスキー島への無謀な侵攻などを通じて、国をボロボロにしきって76年に亡くなります。次の鄧小平は毛沢東の個人崇拝を否定し、近代化を推し進めます。朱鎔基という名伯楽を得た江沢民時代には、中国経済が軌道に乗ります。鄧小平の指示通り、江沢民は2期で政権を去ります。後を襲った胡錦濤は急激な成長によって

**********************

この記事は「公研」会員限定となります。

会員の方はログイン、もしくは以下より登録してご覧ください。

**********************

既存ユーザのログイン
   
新規ユーザー登録
*必須項目

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事